葬儀には、きちんとしたマナーで参列することが大切です。
参列に際して知っておきたい知識や作法をご紹介します。
深い悲しみにある遺族に対し、良識ある態度を心がけましょう。
香典の金額は、生前の故人との関係、故人や自分の社会的地位・年齢などを考慮して決めます。
一般的な相場は以下の通りです。これをもとに故人との関係や、故人あるいは包む人の社会的地位を考慮した金額にしましょう。また、香典には新札を使わないのがマナーです。
送り先 | 金額 |
友人やその家族 | 5,000〜10,000円 |
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隣近所の方 | 3,000〜5,000円 |
職場関係 | 5,000〜10,000円 |
伯父・伯母 | 10,000〜20,000円 |
祖父母 | 10,000〜20,000円 |
兄弟・姉妹 | 10,000〜50,000円 |
※地域や宗派によって異なる場合があります
香典袋(不祝儀袋)は、香典の額に見合ったものを選ぶようにしましょう。香典袋の表書きは、相手の宗教によって異なりますが、もしわからない場合は「御霊前」とすればよいでしょう。
表書きは楷書で、名前はフルネームで書きます。表書きの名前は3名ぐらいまでならば連名で記載します。それ以上のときは「◯◯一同(または◯◯有志)」とし、全員の名前を別紙に記入して香典袋に同封します。
御霊前、御香典、御香料
御霊前、御玉串料、御榊料、御神饌料
御花料、御ミサ料(※カトリックのみ)
中袋には金額・住所・名前を書き、裏面は上部が上に重なるように折ります。
式場に到着したらまず受付をします。
「この度は誠にご愁傷さまでございます」とお悔やみの言葉を述べて深く一礼した後、ふくさから香典を出し、受付側に正面を向けて両手を添えて差し出します。その後、芳名帳に記入します。
男性は、黒のフォーマルスーツまたは濃紺のスーツに黒ネクタイを着用します。通夜は地味な平服でも問題ありません。
ワイシャツは白色で、ネクタイは黒または地味な柄の目立たないものを選びましょう。
靴下と靴は黒の無地のものを選び、柄物や目立つ金具のついたものは避けましょう。
黒や濃紺の無地または目立たないストライプのスーツであれば、ダブルでもシングルでも問題ありません。
時計やブレスレットなど、結婚指輪以外のアクセサリーは外して質素にしましょう。
女性は、黒のフォーマルスーツかワンピース、またはダークカラーのスーツやワンピースを着用します。ストッキングも黒を選びましょう。
色味を抑えたナチュラルメイクにしましょう。
髪が長い場合は、低めの位置でシンプルにまとめましょう。
白無地かフォーマル用の黒を選びましょう。
ストッキングや靴は黒で、靴はヒールの高さが3~5cmほどのフォーマルなものを選びましょう。
黒、濃紺など地味な色のワンピースまたはスカートスーツで、肌をあまり露出しすぎないよう注意しましょう。ミニスカートは避けてください。
結婚指輪以外のアクセサリーは外して質素にします。真珠のネックレスをつける場合は、二連だと「(不幸を)重ねる」に通じるため、一連のものを選びましょう。カラフルなネイルは場に合わないので落としましょう。
子どもは、学校の制服があれば制服を着用しましょう。
幼児はブレザーを着せるか、ない場合は白のブラウスかシャツに黒または紺のセーターやスカート、ズボンを着せ、白の靴下をはかせます。派手な色の服やフリルのついた服は避け、シンプルにしましょう。
中高生は制服を着用しましょう。制服がない場合は、黒や紺、グレーなどの地味な色合いの服装にします。
靴はなるべく黒などの地味な色を着用しましょう。
葬儀では、僧侶の読経が行われている間に遺族や親族に続いて参列者も焼香を行います。
焼香の順番が来たら祭壇まで進み、故人に一礼、そして遺族に一礼してから行いましょう。
抹香(粉状のお香)による焼香は立って行われることが多いですが、座って行う場合も作法は同じです。
※宗教・宗派によって作法が異なる場合があります。
焼香台の手前で遺族と僧侶に一礼し、焼香台の前に進んで遺影に一礼したら合掌します。
数珠を左手にかけて右手で抹香をつまみ、目の高さで押しいただきます。
香炉の炭の上に抹香を静かに落とします。これを1~3回繰り返します。
再び合掌し、故人に向けて一礼後、僧侶と遺族に一礼して席に戻ります。
焼香台の手前で遺族と僧侶に一礼し、焼香台の前に進んで遺影に一礼します。
数珠を左手にかけておき、ロウソクで線香に火をつけ、火を手であおいで消して香炉に立てます。本数は1本が一般的です。
線香を立てたら合掌します。僧侶と遺族に一礼し、席に戻ります。
神式の葬儀では、焼香の代わりとして玉串奉奠(たまぐしほうてん)が行われます。
神職者と遺族に一礼し、玉串を両手で受け取ります。
玉串案と呼ばれる台の前に進み、ご神前に一礼します。
玉串の葉先がご神前に向くように持った後、根本がご神前に向くように右回りに半回転させた状態で奉ります。
遺影に向かって、二礼・二拍手・一拝します。この際、手を音を立てずに静かに叩くしのび手(忍び手)で拍手します。
「献花」は日本だけの風習で、故人とのお別れの儀式としてキリスト教の信者の方もそうでない方も行います。
両手で花を受け取り、遺族に一礼して献花台に進みます。
右手で花側を、左手で茎を持った状態で、茎を祭壇に向けて献花台に捧げます。
一礼して黙祷後、数歩下がって遺族に一礼して戻ります。
ご遺族の意向に沿って参列は控えましょう。
どうしても哀悼の意を表したい場合は、弔電や香典・供花を送るとよいでしょう。
弔電や供花、香典は会場がわかれば会場へ、会場がわからなければご自宅へ送ります。香典は現金書留で送りましょう。
ただし、訃報に弔電や香典、供花を辞退する旨の記載があれば、意向を汲んで控えましょう。